「人生ここにあり」 screen
とてもいい映画をみました。
イタリアの3年前に製作された映画です。
原題は「Si Puo Fare!」 イタリア語で「やればできるさ!」
タイトルからして面白そうな映画じゃないですか。で、本当に面白かったです。でも内容はいろいろと考えさせられることが多かったです。
1978年に施行された「バザリア法」によって精神病院が廃絶されたため、患者たちが一般社会で暮らせるような地域つくりに挑戦したひとりの熱血漢を中心に話が進んでいく実話です。
こういう法律があることさえ知らなかったのですが、精神を病んだ方たちと接することさえむずかしいのに枠をとりはらって一般社会の中でともに暮らさせるようにするというのはとてつもなく大きな努力と忍耐とそして愛情がなければ出来ないことだと思います。
ともすれば重く暗く、ぶつかり合いや憤り、つらいことの連続となりそうな患者たちとの関わりをこの映画では面白おかしく描いています。でもやはり失敗もあって身につまされる場面もありました。
精神病の方だけではなく、社会的に弱者の方たちが一般社会で生活するのは健常者の理解と愛情が不可欠です。でもその前に立ちはばかる偏見と闘わなければなりません。今、自分が偏見なく接することができるかと自問自答してもやはり自信がありません。それだけに一人ひとりの性格や個性を重視し愛情を降り注いで社会復帰させるために奔走した主人公ネッロには拍手喝采です。一般社会のどこのラインまでなら安全かとか、非常に難しくてデリケートな問題。様々な問題を解決しながらやり遂げたネッロの意気込み、意志の強さ、愛情の深さにブラボー Si Puo Fore!
「人生、ここにあり!」
2008年 イタリア
09年 イタリア・ゴールデングローブ賞
【監督・脚本】 ジュリオ・マンフレドニア
【原案・脚本】 ファビオ・ボニファッチ
【製作】 アンジェロ・リッツォーリ
【主なキャスト】
<ネッロ> クラウディオ・ビシオ
<サラ> アニタ・カプリオーリ
<ジージョ> アンドレア・ボスカ
<ルカ> ジョバンニ・カルカーニョ
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